「教習所って何をするのだろう?」
「どんな試験を受けなくてはいけないの?」
教習所(自動車学校)って、名前はよく聞くけど、実際にどのような授業(教習)をしているのかよくわからないですよね。
そんな悩みを持つ皆さんに、
- 入校から卒業までの流れ
- 実際にどんな教習をうけるのか?
- 試験の合格ラインは?
等を詳しく、わかりやすく説明します。
入校から卒業まで
- オリエンテーション(入校式)
- 適性検査
- 1段階教習
- 仮運転免許書取得のための試験
- 2段階教習
- 卒業試験
オリエンテーション(入校式)とは
必要な書類の確認をしたり、教習所の施設の説明、教習の受け方などの説明を受けます。
入校式という重々しい名前は、教習所ができた昭和35年頃に行っていた、学校の入学式のような雰囲気だった名残だそうです。
適性検査とは
- 視力検査
- 身体検査
- 心理検査
の3つを行います。
視力検査
普通車であれば、両眼で0.7以上・片眼0.3以上が必要となります。(メガネ・コンタクト使用可)
教習所の視力検査で、視力がこれ以下ですと教習を受けることができません。
メガネ・コンタクトレンズを使っている方は忘れないようにしましょう。
また、生活に支障がなく、自分では、視力が悪くなっている事に気づかないまま教習所に来て、視力が規定に足りない!と困ってしまう場合もあります。
「最近見えづらいな。」と思ったら、眼科かメガネ屋さんに相談しましょう。
同時に、信号機の赤・青・黄色の色彩識別が出来なくてはなりません。
身体検査
- 運転に支障を及ぼすような身体障害が無いかどうか?
- 耳が遠くなっていないか?
をアンケート形式で聞かれる場合が多いです。
※不安のある方は、事前に教習所に相談しましょう。
心理検査
皆さんの性格(せっかち や おっとり等)を検査し、安全な運転行動に役立てるために行うものです。
運転に対する適性を知るテストですので、結果の良し悪しによって、教習所に入れなくなるという事はありません。
あくまで、安全な運転を行うための、性格的傾向を検査するテストですので、リラックスして正直に答えましょう。
仮免許とは
正しい名称は、仮運転免許であり、仮免許・仮免と略されます。
路上での運転練習を行うための免許ですので、その他の目的での運転はできないので注意しましょう。
また、運転練習を行うためであっても資格を満たした同乗指導員が必要となりますので、1人で運転することはできません。
教習 1段階
仮免許を取得するまで、教習所の場内で行う教習(技能教習)です。同時に教室で行う学科教習も受けなければなりません。
運転授業(技能教習) | 教室授業(学科教習) | |
普通MT | 15時限 | 10時限 |
普通AT | 12時限 | 10時限 |
1段階 技能教習
模擬運転装置(カートレーナー)
教室に置いてある、運転席の模擬装置を使って、ウインカーの場所や、アクセル・ブレーキの位置を確かめる教習です。
実際の車に乗る前に、基礎操作の練習が出来るので、次の時間に車に乗った時に焦らずにすみますよ。
MTでは最大2時限・ATでは最大1時限行いますが、教習所によってはカートレーナーでの教習を行わずに、いきなり実際の車に乗る場合もあります。
実車教習
1段階の技能教習の大半は、インストラクター(指導員)と1対1の運転教習です。
教習所内コースでの運転で、教習車には補助ブレーキというインストラクターがいつでも踏める補助のブレーキがついているので安心して運転ができます。
発進・停止。S字やクランクなどの狭路。坂道の通り方など、運転に必要な技術を一通り学びます。
MTコースの方もAT車を使った教習もありますよ。
無線教習
1段階の後半には、インストラクターが乗らず1人で運転する教習もあります。
インストラクターの指示(無線:ラジオみたいに相手の声だけ聞こえます)に従って教習所内コースを1人で運転します。
はじめての1人運転ですので、乗る前は緊張しますが、慣れた教習所内コースですので大丈夫ですよ。
※ 無線教習を行わない教習所もあります。
1段階 学科教習
学科教習は、教室での多人数授業となります。
学科1~10まで、10つの授業を受けなければいけませんが、1以外はどの順番で受けてもOKです。
学科1は、必ず最初に受けなければならないので、多くの教習所ではオリエンテーションに続いて強制的に受講する時間割となっています。
他の学科も、学科時間割を見て、できるだけ早い時期に受けるようにしましょう。学科を全て受けていないと、仮免試験を受けることができません。
仮免許試験
仮免許を取得するために受ける試験は
- 修了検定(車を使った技術試験)
- 仮免学科試験(知識を問う、ペーパーテスト)
の2種類となります
修了検定
教習所内の指定されたコースを走り、運転に必要な技術があるかどうか?を試験します。
走行時間は、10分~15分間が、一般的です。
100点満点中 70点以上が合格となります。
採点方法は、最初に100点の持ち点から始まり、ミスがあると点数が引かれる減点方式となります。
減点される項目の一部
項目 | 減点数 |
シートベルトを着用しない | 減点10点 |
スピードオーバー | 減点10点 |
右左折でウインカーを出さない | 減点5点 |
※ その他にも様々な減点項目があります
仮免学科試験
◯✕式のペーパーテストを行い、運転に必要な知識をテストします。
30分間で50問が出題され、45問以上正解すれば合格となります。
出題範囲は、1段階学科で習った全てとなります。
仮免許証交付
修了検定・仮免学科試験の両方に合格すれば、晴れて仮免許証が交付されます。
交付の手続きは、教習所が全て行ってくれます。
平日であれば、その日の夕方頃までに、土・日・祝日であれば、次の平日の午前中に仮免許証をもられる場合が多いですよ。
※ 年末年始や、各都道府県の警察の事務実施要項によって異なります。
教習 2段階
路上での実車教習や、シミュレーターを使っての教習。教室での学科授業や、応急救護教習などを受けます。
運転授業(技能教習) | 教室授業(学科教習) | |
普通MT/AT共通 | 19時限 | 16時限(応急救護 3時限を含む) |
2段階 技能教習
実車教習
1段階と違い、路上での教習となります。また、受ける項目によってはインストラクター1人に対して教習生が3人乗る、複数教習もあります。
実際の路上に出るので、不安もあるかと思いますが、仮免許証試験に合格した皆さんですから大丈夫ですよ。
皆、最初は不安に思いながらも、インストラクターに教えてもらいながら、運転に慣れて行きます。
路上教習を受けると、自転車の飛び出しが危ないことが良く分かりますので、自分の自転車の運転マナーを見直す教習生が多いですね。
シミュレーター教習
急ブレーキや、子どもの飛び出しへの回避など、実際の道路上では教えることが困難な教習を、シミュレーターで行います。
ゲームセンターに置いてある、レースゲームの教習所版です。
レースゲームではないので、いかに安全に走行するか?がポイントです。飛び出してくる子どもとの、事故がないように頑張りましょう。
高速教習
実際の高速道路での教習です。
高速道路への入り方や、合流の仕方などを含め、実際に 100km/h での運転をします。(制限速度が 80km/hであれば、80km/h)
恐怖の高速教習!と、行く前は多くの教習生がおののきますが、実際に高速道路を走ると「思ったより恐くなくて、気持ちよかった」という気分になる教習生が多いみたいです。
※ 高速道路での教習ができない場合、シミュレーターで行う場合もあります。
卒業試験(卒業検定)
指定された路上コースを走り、運転の技術を確認します。
修了検定と同じく、走行時間は、10分~15分間が、一般的です。
100点満点中 70点以上が合格となります。
採点方法は、最初に100点の持ち点から始まり、ミスがあると点数が引かれる減点方式となります。
減点が積み重なって不合格となる場合もありますが、1つのミスで即検定中止(不合格)となる項目がありますので、注意が必要です。
一発 検定中止例の一部
- 信号機の無い横断歩道で、歩行者が渡ろうとしているにもかかわらず、一時停止をして歩行者に譲ろうとしなかった
- 信号機のある交差点を左折する際に、横断しようとしている歩行者に譲ろうとしなかった
※ 他にも様々な一発検定中止項目があります
歩行者に対する安全確認を確実に行うようにしましょう。
卒業証書発行
卒業検定に合格すれば、教習所は晴れて卒業となります!
卒業証明書の有効期限は1年間ですので、早めに免許を取得しましょう。
卒業後、免許取得まで
運転免許センターで試験を受ける
住民票所在地の運転免許センター(試験場)で適性検査(視力検査)と学科試験を受けます。
卒業証書の有効期限は1年間ありますが、学科試験対策として、教習所を卒業後すぐに試験を受けましょう。
せっかく、学科を勉強したのに、半年以上ほっておくと忘れてしまいます。
忘れないうちに早めに試験を受けて、免許を取得しましょう!
※写真は全てイメージです。